特定調停とは

特定調停とは、簡易裁判所で調停委員の仲介のもと、借金の減額・将来の分割払いの条件について和解交渉する手続きです。利息制限法による引き直し計算をして借金を減らし、残った借金を原則3年で返済していくことが前提となりますので、一定の収入がある方が対象となります。特定調停は「裁判所を利用した任意整理」ともいわれ、弁護士・司法書士に依頼しなくても、手続きを進めることができます。なお、申し立て書式は簡易裁判所に備え付けられています。

特定調停の手続きの流れ

      簡易裁判所へ特定調停の申し立て
        
    
       調停委員の選任
        
    

       調停委員による調停
        
    

       調停成立・調停調書の作成
        
    

       返済計画に基づき返済開始

特定調停Q&A

Q.特定調停は本人だけでできるのでしょうか?

A.特定調停の手続き自体が弁護士・司法書士に依頼することなく、本人だけで
   できるような制度になっていますので、自分一人で手続きを進めることが可
   能です。申し立て自体も難しくありません。

Q.特定調停の手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?

A.裁判所にもよりますが、約2〜3ヶ月程度です。 特定調停の申し立てをし
   てから約1ヶ月後、裁判所から呼び出しを受けます。1回目は調停委員から
   自分の生活状況・返済可能額等を聞かれます。そして、さらにその1ヵ月後
   くらいに調停委員の仲介のもと、返済計画について債権者と話し合うことに
   なります。そこで話し合いがまとまれば調停成立です。

Q.特定調停が成立しない場合もありますか?

A.特定調停は話し合いが基本なので、折り合いがつかなければ調停が成立しな
   いこともあります。その場合は、他の債務整理を検討することになります。

Q.特定調停では、債権者と直接交渉しなければならないのでしょうか?

A.ほとんどの債権者(貸金業者)は調停の期日には来ません。調停委員が電話
   で話し合うのが一般的ですから、直接交渉することはまずありません。

Q.取り立ては止まりますか?

A.裁判所から債権者に対し、特定調停の申し立てを受理したという書面が送ら
   れます。これにより取り立ては止まります。

Q.ギャンブルが原因でも特定調停を利用することができますか?

A.特定調停も自己破産と同様、裁判所を利用する手続きですが、自己破産と違
   って借金の原因は問いません。従って、ギャンブルが原因でも特定調停を利
   用することができます。

Q.特定調停を利用すると、どのくらい借金が減りますか?

A.一概には言えません。ただ、任意整理と同様、取引期間が長ければ長いほ
   ど、減額額が大きくなる傾向にあります。通常5年位の取引で大幅に減額さ
   れ、7年以上の取引で過払いの状態になることが多いようです。(これはあ
   くまでも1つの目安であって、特定調停の申し立てをする直近に多額の借入
   れをしていた場合や小額の借入れ・返済を繰り返していた場合はこの限りで
   はありません。)

Q.特定調停の結果、過払いになっていました。取り戻せますか?

A.特定調停では、過払い金が発生していても、その回収までは行ってくれませ
   ん。別途「過払い金返還請求」が必要になります。

Q.特定調停の申し立てをするには、すべての債権者を対象にしなければ
   いけないのですか?

A.特定調停では、債権者を選択することが可能です。従って、保証人がついて
   いる借金・自動車ローンなどを除いて申し立てることができます。

Q.特定調停で決定した返済計画通りの返済ができなかったり、返済が遅
   れたりすると、どうなりますか?

A.調停が成立すると調停調書が作成されます。この調停調書は判決と同じ効力
   がありますから、返済を怠ると強制執行(給料等の差押え)されるおそれが
   あります。

Q.特定調停を利用すると税金も減額されますか?

A.税金・健康保険料・社会保険料などは特定調停の対象とはならないので、減
   額されることはありません。このことは特定調停に限らず、任意整理・自己
   破産・個人民事再生のすべての手続きにおいて共通しています。

特定調停のメリット・デメリット

メリット

  • 費用が安く手続も簡単なので、自分一人でできる。
  • 特定調停の申し立てにより、債権者からの取り立てが止まる。
  • 強制執行の手続き停止の申し立てができる。


デメリット

  • 調停期日の度、裁判所に行かなければならない。
  • 信用情報機関に登録されてしまうため、一定期間、新たな借入れやクレジットカードの作成が困難になる。  
  • 過払い金が発生していても、手続き内で過払い金を取り戻すことができない。別途、過払い金返還請求をしなければならない。 
  • 調停で成立した返済計画を守れなかった場合、強制執行(給料等の差押え)される可能性がある。